【七夕】
「さ、爽夏先輩……」
【シード爽夏】
「ふふ。久しぶりとでも言った方がいいのかしらね」
てくてくと正門の真ん中を歩いて、堂々たる振る舞いで近づいてくる姿があった。
マジックアカデミー魔砲器隊の隊長であり、学生寮の中心人物であり、俺の恋人でもある女の子。
それを見紛うことなき、万代爽夏だった。
【シード爽夏】
「どうやら満身創痍みたいね。もっとペース配分をして余力を残しておかないと、今みたいな展開に対応できないわよ?」
【リリィ】
「……こっちも必死だったんだよ。お前がいなくなったせいで、穴を埋めるだけでも精一杯だったからな」
【シード爽夏】
「すっかり忘れていたわ。そう考えると、及第点と言ってもいいわね」
【リリィ】
「そりゃ嬉しいな。できれば、これで終わりといきたいんだけど」
【シード爽夏】
「残念。そうもいかないのよね」